人身傷害があれば搭乗者障害は省略できる

人身傷害は、自動車事故によるケガの治療費の実費や働けない間の収入、精神的損害を補償する保障です。

この人身傷害は自動車保険自由化の頃に東京海上が開発して販売を始めた比較的新しい保険なのですが、今では全損保会社に広まり、運転者側の損害を賠償するための保険のスタンダードになりました。

人身傷害が登場する前は、運転者側のケガなどを補償するものは搭乗者傷害しかなく、十分な補償が受けられるとはいえない状況でした。

現在ではこの人身傷害のお陰で、損害額が確定しさえすれば示談成立前でも実額ベースで補償を受けることができるようになりました。

現在でも損保各社は搭乗者傷害を残してはいますが、はっきり言って人身傷害を付ければ、補償の重複する搭乗者傷害は必要ないと思います。

現にレンタカー業界などは、人身傷害の登場以降、搭乗者傷害を全部人身傷害に切り替えているようです。

人身傷害と搭乗者傷害の両方をセットしても、補償額がそれだけ増えるので悪いことはないのですが、軽自動車の任意保険のように保険料をできるだけ節約したい場合は搭乗者傷害の方を省略すればいいと思います。

人身傷害の限度額は3千万円がベースで、4千万円、5千万円などと1千万円単位で金額を上げていくことができます。

もちろん1億円、2億円、無制限という限度額にすることもできますが、限度額が上がればやはりそれに応じて保険料も高くなります。

この人身傷害の限度額をいくらにすればいいのかは悩ましいところなのですが、加入者の選択の状況を見ると、3千万円にしている人が5割以上で最も多く、5千万円にしている人が約4分の1、無制限にしている人が1割強程度というのが実態のようです。

仮に3千万円の場合だと、過失割合を仮に50:50とすれば、自分の保険の人身傷害で3,000万円、相手方の対人賠償で3,0000万円の、合計6,000万円が補償額の上限だということになります。

これではちょっと不安という場合や、予算にゆとりがある場合は限度額を5千万円にすればいいと思います。

あくまでも過失割合が50:50の仮定上の話になりますが、限度額を5千万円にすると、上と同じような計算で自分の保険から5,000万円、相手方の保険から5,000万円の合計1億円までの賠償が可能になります。

死亡の場合の損害額は高い場合でも8千万円程度と言われていますので、ほぼカバーできることになります。

また重度傷害が残った場合の損害額は2億円近くになることもありますが、人身傷害では所定の重い後遺障害を被った場合で、かつ介護が必要な状態と認められるときは、保険金額の2倍(ただし、保険金額が無制限の場合は無制限)を支払限度額として保険金がお支払われますので、限度額5千万円であればこちらの方も大体カバーできるという計算になります。

このように、人身傷害の限度額は3千万円を基本とし、予算に応じて5千万円選ぶといったところが妥当な選択だと思います。

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